毎月の納付は面倒かつ払い忘れのリスクが発生します
家族などの青色事奪従者などに給与を支払う場合、事業主は源泉所得税を給与から差し引き、預からなければなりません。預かった源泉所得税は、預かった月の翌月10日(土曜・日曜・祝日の場合は翌日)までに「給与所得・退職所得等の所得税徴収計算書」に記載して最寄りの金融機関で支払わなければなりません。
ですが、毎月毎月支払うのは手間がかかりますし、うっかり支払を忘れてしまう可能性もゼロではありません。納付期限までに納めないと「不納付加算税」と「延滞金」という2つの罰金が課せられます。この場合、本税納付後に税務署より「不納付加算税・延滞金」の金額が記載された納付書が郵送されてきます。
この税金を払い忘れてしまうと、「不納付加算税」と「延滞金」が課せられるわけですが、それぞれ原則として、次のようにして計算されます。
◆不納付加算税→1日遅れたら本税(預かった税金)の10%
◆延滞金→納期限の翌日から2カ月を経過する日まで本税の年7・3%(1日あたり、1万円につき2円。現在は、年7・3%または前年11月末における日銀の基準貸付利率に4%を加えた率のうち低いほうの率を適用します)、2カ月を経過後は、納付の日まで本税の年14・6%(1日あたり、1万円につき4円)さらに、以下の条件に基づいて実際の金額が算出されます。
①税額が1万円未満であるときには不納付加算税・延滞金の対象となりません
②納付税額に100円未満の端数があるときには、その端数を切捨てて計算します
② 出した不納付加算税・延滞金が1000円未満のときは、全額切捨てます
③ 納付加算税・延滞金に100円未満の端数があるときは、切捨てます
例に挙げた源泉所得税の納付期限は、8月10日です。もし納付期限に納付を忘れて8月31日に納付した場合には、次のようにして罰金が課せられてしまいます。
◆不納付加算税→本税4万4030円×10%=4400円(100円未満切捨て)
◆延滞金→本税4万4030円×7・3%/365日×20日=0円(1000円未満切捨て
このようにうっかり忘れただけで余分な税金を払うことになってしまいます。
「納期の特例」手続をすれば年2回の支払でよくなります
このような余分な罰金を避け、かつ毎月の納付の手間を省略するため、源泉所得税の納付を年2回にまとめる方法があります。この手続を一般的には「納期の特例」と言います。
特例を受けるための届出書を「源泉所得税の納期の特例の承認に関する史薯兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」と言います。国税庁のホームページからダウンロードして手に入れられるので便利です。
納期の特例を受けた場合、1回目の納期は原則7月10日(土曜・日曜・祝日の場合は翌日)までに、1月~6月までに預かった源泉所得税をまとめて納めます。2回目は1月20日(土曜・日曜・祝日の場合は翌日)までに7月~12月までに預かった源泉所得税(年末調整還付後)をまとめて納めます。
この「納期の特例」で納付するにあたっての注意点を挙げましょう。
①適用対象事業所は、常時雇用人数(青色専従者・従業員数)が10人未満の事業所です。
②弁護士、税理士、司法書士等の報酬に係る源泉所得税は、「納期特例」の対象ですが、デザ イン料や原稿料等、その他にかかる源泉所得税は対象となりません。
③年の途中で「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出した場合、提出した翌々月納付分から適用されます。
例えば2月2日に届出書を提出した場合、2月25日給与支払時に預かった源泉所得税は、3月10日が支払期限となります。そして3月25日給与支払分以降から「納期特例」の適用となります。
④「納期の特例」の納付期限(7月10日・1月20旦を過ぎて納付した場合は、「不納付加算税」と「延滞金」が課されます。加えて「納期の特例」取消の処分を受ける場合があります。 取消の処分を受けると毎月10日が納付期限となります。
このように源泉所得税は原則毎月払わなければなりませんが、所定の手続で年2回の支払ですませることができます。
ぜひ効率的な賃貸経営の方法として検討してみてください。

