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「値上がり率」より「利回り」を重視

どれだけ賃貸経営に費用を投下してどれだけ収益が上がるか見極める

賃貸経営は決して新しいビジネスの手法ではありません。賃貸経営の起源は飛鳥時代の荘園制度がはしりだと言われています。

江戸時代に入ると「長屋」という形で賃貸経営は一般的に行われてきました。現代では都市に多くの人が集まり、その住まいの形態の1つとして生まれてきたのがアパート・マンションです。この歴史ある賃貸経営に今、変化の兆しがみえています。

まずは「大家といえば親も同然」から「借りる人がお客様」という意識の変化です。「お客様」のためのビジネスとして賃貸経営を考えなければいけません。

そして、これまで、賃貸経営といえば、なるべく知名度があるところ、駅から近いところなどに土地や建物を所有し、その値上がり益を期待するのが普通でした。ですから、バブルの頃に多額の借金をしてテナントビルなどの収益物件を建築したものの、バブル崩壊によって不動産相場が下落して散々な目にあった方が少なくなかったのです。その後遺症もあってか、しばらくの間、賃貸経営は下火になっていきます。ところが、九十年代の終わりから、外国の投資ファンドがこの賃貸経営に目をつけ始めました。賃貸経営が生み出す家賃収入の投資利回りが、バブルの崩壊が下がったその土地建物の金額より高い点に注目したのです。これが「不動産の証券化」の始まりでした。それはでの日本の不動産投資の手法が「値上がり益」重視していたのに対し、彼らは「収益還元率」に着目したのでした。

つまり預金や株式、ファンドなどのように投資利回りを重視したのです。この「不動産証券化」の流れの中に発売されたJ―REIT(不動産投資信託)は、投資家から資金を募り賃貸不動産を購入し、賃料収入や転売益で得た収入を配当するもので「超低金利時代」の日本においては運用実績が良く、人気の金融資産になっています。もちろんよい立地の不動産をもつことは大切です。ただし、「投資額」に対して「利益」がどの程度見込めるかを厳密に計算することを忘れてはいけません。賃貸経営は、はじめに大きなお金が必要になり、その回収には時間が掛かります。その時々の時代背景の変化、入居者のニーズに常に着目して柔軟に対応することが求められているのです。